Q1.光硬化工法とは

光硬化の技術を応用した形成工法に分類される本管更生用の管更生工法です。
施工においては、人孔から既設管内に更生材を引込み、専用冶具を上下流端部に取り付け空気圧によって拡径し、既設管内面に密着させ、挿入した光硬化装置によって樹脂を硬化させて所定の強度と耐久性を確保した更生管を形成します。

・アルファライナー工法
適用管径:φ150~1000(自立管対応はφ150~800)
適用管種:鉄筋コンクリート管、陶管、鋼管、鋳鉄管、硬質塩化ビニル管
適用管断面形:円形管

・アルファライナーH工法
適用管径:φ150~1000(自立管対応はφ150~900)
適用管種:鉄筋コンクリート管、陶管、鋼管、鋳鉄管、硬質塩化ビニル管
適用管断面形:円形管

Q2.光硬化工法の特長

①更生材の保存期間が長い
更生材は特定の波長領域の光によって硬化する性質であるため、確実に遮光すれば、常温で3ヶ月の長期保存が可能です。

②硬化前に更生材内の状況確認ができる
硬化に用いる光照射装置にはTVカメラが内蔵されており、光硬化前の更生材内の状態を確認することができます。

③環境温度の影響を受けず、浸入水があっても施工が可能
更生材は特定の波長領域の光により硬化するため、環境温度にほとんど左右されず、夏場でも冬場でも硬化に要する時間は変わりません。また、浸入水があっても、前処理(止水処理)することなく更生でき、尚且つ浸入水の冷却作用による硬化不良も発生しません。※1

④施工設備がコンパクトで簡便・短時間で施工
光硬化システムを使用しているため、施工設備がコンパクトです。施工も極めて簡便で、作業時間も短縮でき、熱硬化方式の工法に比べCO2も削減できます。※2

⑤硬化後直ちにインナーフィルムを除去
時間の経過とともに劣化する恐れのある最内層のフィルム(インナーフィルム)を、硬化後直ちに除去します。

⑥施工中の臭気を脱臭装置で除去
本管の更生中には、特殊フィルターを装着した脱臭装置により悪臭を強制的に除去します。

⑦硬化後の収縮が極めて少ない
更生材は補強材としてガラス繊維を用いているため、硬化後の収縮はほとんどありません。したがって、取付管口のせん孔作業を硬化後即時行っても、収縮による開口部のズレが生じる等の不具合が発生しません。また、本管口の仕上げも即日に行えるため、工期の短縮につながります。

⑧塩ビ管への施工が可能
既設の硬質塩化ビニル管への施工を行っても、塩ビ管を支障なく更生することが可能です。

※1:但し、浸入水の水量は2.0㍑/分以下、水圧は拡径圧力以下とする。
※2:(株)極東技工コンサルタントの調査による。(但し、シームレスシステム工法での調査)

Q3.「管きょ更生工法における設計・施工管理ガイドライン-2017年版-」(平成29年7月 (公社)日本下水道協会発行)に準じた設計は可能ですか?
「管きょ更生工法における設計・施工管理ガイドライン-2017年版-」(以下、「ガイドライン」と記す)に準拠した「自立管」としての設計を行うことが出来ます。「ガイドライン」が適用される基準は原則として、国庫補助工事に使用される更生材料が対象となり、アルファライナー工法のアルファライナーおよびアルファライナーH工法のアルファライナーHが「ガイドライン」の適用対象となります。
Q4.「ガイドライン」に準拠した更生管の要求性能を有していますか?

ガイドラインに準拠した要求性能の各種確認試験として、以下のとおり実施しております。

(1)耐荷性能
1)偏平強さ又は外圧強さ
●φ600mm以下の既設管・・・・JSWAS K-1による偏平試験
●φ700mm以上の既設管・・・・JSWAS K-2による外圧試験
2)曲げ強さ
●長期曲げ強さ(JIS K 7039による50年後の曲げ強さ)
●長期曲げ弾性率(JIS K 7035による50年後の曲げ弾性率)
●短期曲げ強さおよび短期曲げ弾性率(JIS K 7171に準拠)

(2)耐久性能
1)耐薬品性
JSWAS K-2に準拠した試験を満足することを確認している。
浸漬後曲げ試験に準拠した試験を満足することを確認している。※1
2)耐摩耗性
JIS A 1452(落砂法)に準拠した試験を行い、下水道用硬質塩化ビニル管(JSWAS K-1)と同等程度の耐摩耗性を有することを確認している。
3)耐ストレインコロージョン性
JIS K 7034に準拠した試験を行い、試験結果から求める50年後のひずみの外挿値が0.45%以上であること、かつ、JSWAS K-2(2000年度版)に示される考え方を準拠したひずみ値を下回らないことを確認している。
4)水密性
JSWAS K-2に準拠した試験を行い、内・外水圧(0.1MPa以上)に対する水密性を有することを確認している。

(3)耐震性能
1)短期曲げ強さ(JIS K 7171に準拠)
2)引張強さ、引張弾性率および引張伸び率(JIS K 7161に準拠)
3)圧縮強さおよび圧縮弾性率(JIS K 7181に準拠)

(4)水理性能
1)粗度係数
更生管きょの粗度係数を測定し、確認している。
(更生管きょの粗度係数は、原則として0.010以下とする。)
2)成形後収縮性
更生管の軸方向および内径方向の収縮を検査し、流下能力に対して影響を及ぼさないことを確認している。

Q5. 既設管の段差、破損等老朽化の度合いに対する適用範囲は?

アルファライナー工法の適用範囲

項目 施工許容範囲 対策
段差 40mm以下(呼び径の5%) 許容値以上は事前処理必要
継ぎ手隙間 50mm以下
クラック Aランクのクラックでも施工可能
管体破損 施工可能(但し、内側に鉄筋など鋭利な突出しがあると、材料に損傷を与える事がある。) 事前処理により鋭利な突出し部を処理する必要がある。
浸入水 水圧が拡径圧力より低ければ、Aランクでも施工可能
取付管突出し 施工不可 突出し部を撤去すれば施工可能
堆積物 施工不可 堆積物を撤去すれば施工可能
管路の曲がり 呼び径350未満:10°以下
呼び径350以上:5°以下

アルファライナーH工法の適用範囲

項目 施工許容範囲 対策
段差 40mm以下(呼び径の5%) 許容値以上は事前処理必要
継ぎ手隙間 50mm以下
クラック Aランクのクラックでも施工可能
管体破損 施工可能(但し、内側に鉄筋など鋭利な突出しがあると、材料に損傷を与える事がある。) 事前処理により鋭利な突出し部を処理する必要がある。
浸入水 水圧が拡径圧力より低ければ、Aランクでも施工可能
取付管突出し 施工不可 突出し部を撤去すれば施工可能
堆積物 施工不可 堆積物を撤去すれば施工可能
管路の曲がり 呼び径350未満:10°以下
呼び径350以上:5°以下